
介護保険料はいくら払う?40歳・65歳以上の月額目安と注意点を解説
介護保険は、介護が必要になった際に自己負担を抑えて各種介護サービスを受けられる公的制度です。
万が一のリスクを想定すると便利な制度ではある一方、「毎月どのくらい保険料を支払うのか」「いつから、どのように支払うのか」といった保険料の仕組みについて、詳しく理解している人は意外と多くありません。
内容をよく知らないまま加入年齢を迎え、後になって負担の大きさに戸惑うケースもあるでしょう。
そこで本記事では、介護保険料の月額目安や支払い方法、注意点について詳しく解説します。

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介護保険料はいくら払う?
介護保険は公的社会保険の一種であり、日本国内の居住者は加入している保険制度を問わず40歳時点から自動的に加入します。

被保険者は年齢により以下2つに区分され、毎月の保険料の計算方法も異なります。
- 65歳以上:第1号被保険者
- 40〜64歳:第2号被保険者
※:正確には誕生日の前日が属する月から。例:1月1日生まれの人は前日の12月31日が含まれる12月から支払い開始。
65歳以上(第1号被保険者)の保険料
65歳以上の第1号被保険者の介護保険料は、市区町村ごとに決められる基準額をもとに、本人の所得状況に応じて段階的に分かれています。
主な対象者ごとの保険料の計算式と保険料月額の目安は下表のとおりです。
| 主な対象者 | 保険料の計算式 | 保険料月額目安※1 |
|---|---|---|
| 生活保護受給者など | 基準額×0.285 | 1,774円 |
| 世帯全員が住民税非課税 | 基準額×0.485または0.685※2 | 3,019円または4,264円 |
| 本人が住民税非課税 (同世帯に課税者あり) | 基準額×0.9または1.0※2 | 5,603円または6,225円 |
| 本人が住民税課税 | 基準額×1.2〜2.4※2 | 7,470円〜14,940円 |
※1:2024年度時点の基準額の全国平均月額6,225円より算出。実際の保険料は各自治体が定める基準額に基づきます。
※2:本人の年金収入や合計所得に応じて、負担割合が変動
参照:生命保険文化センター「公的介護保険への加入はいつから? 保険料はどのように負担する?」
高所得者ほど保険料も高くなる仕組みで、最大で基準額の2.4倍もの負担となります。一方、生活保護受給者をはじめとした低所得者層は、自己負担が基準額の0.285倍まで軽減される仕組みです。

40〜64歳(第2号被保険者)の保険料
40〜64歳の介護保険料は、加入している公的医療保険制度ごとに定める保険料率に基づいて算出されます。
年収ごとの大まかな保険料(自己負担分)の目安は下表のとおりです。
| 年収 | 会社員・公務員など (被用者保険)※1 | 自営業者・個人事業主など (国民健康保険)※2 |
|---|---|---|
| 300万円 | 約2,180円/月 | 約6,200円/月 |
| 400万円 | 約2,900円/月 | 約8,100円/月 |
| 500万円 | 約3,630円/月 | 約10,000円/月 |
| 700万円 | 約5,080円/月 | 約13,700円/月 |
| 1,000万円 | 約7,250円/月 | 約19,300円/月 |
※1:会社員・公務員などの保険料率は健康保険組合の平均1.74%で計算
※2:自営業者・個人事業主などの保険料は総所得金額を基準とし、「16,600円+算定基礎額×2.25%」で計算。実際の保険料は市区町村により異なります。
会社員・公務員など被用者保険の加入者は、月給と賞与に保険料率をかけた金額を原則勤務先と折半で負担します。事業主負担分を含む2025年度の保険料率は、健康保険組合は平均1.74%※3、協会けんぽは一律1.59%※4です。
自営業者や個人事業主で国民健康保険に加入している人は、保険料の負担割合が会社員・公務員などと異なり、全額自己負担となるため注意しましょう。同程度の年収であっても、保険料負担は会社員・公務員よりも重くなる傾向にあります。
- 会社員・公務員など(被用者保険):保険料を勤務先と折半
- 自営業者・個人事業主など(国民健康保険):保険料は全額自己負担
国民健康保険の場合、保険料は各自治体によって決定します。参考として、2025年度の東京23区のうち16区における介護保険料は「16,600円+算定基礎額×2.25%」※5です。
※3:健康保険組合連合会「令和7年度健康保険組合予算編成状況-予算早期集計結果について-」
※4:全国健康保険協会「協会けんぽの介護保険料率について」
※5:東京都保健医療局「令和7年度 特別区国民健康保険料一覧表」
介護保険料の支払い方法
65歳以上(第1号被保険者)
65歳以上の第1号被保険者は、公的年金の受給額により支払い方法が以下のように変わります。
| 公的年金受給額 | 支払い方法 |
|---|---|
| 年間18万円以上 | 年金から天引き(特別徴収) |
| 年間18万円未満 | 納付書・口座振替などで納付(普通徴収) |
公的年金の加入時期が不足している人や未納が続いている人を除くと、年金からの天引きとなるのが一般的です。
40〜64歳(第2号被保険者)
40〜64歳の第2号被保険者は、加入している公的医療保険に応じて支払い方法が決まります。
- 会社員・公務員など(被用者保険):給与からの天引きが原則
- 自営業者・個人事業主など(国民健康保険):国民健康保険料に上乗せで徴収
会社員・公務員などの被用者保険の加入者の場合、介護保険料は医療保険料と一体で徴収され、給与からの天引きが原則です。
一方、自営業者・個人事業主などで国民健康保険の加入者は、国民健康保険料に上乗せされて請求されます。つまり、国民健康保険料を納付すれば、自動的に介護保険料も納付されたことになります。
介護保険料の免除・減免を受ける条件
介護保険料は、一定の要件を満たす場合に限り免除または減免を受けることができます。免除・減免の要件を把握しておき、支払いが困難になった際は早めに申請を行いましょう。
免除の条件
以下の条件に該当する場合は、介護保険料が全額免除となります。
- 40〜64歳の被扶養者(専業主婦など)※
- 生活保護受給者
- 短期(3ヶ月未満)滞在の外国人
- 海外居住者(国内に住所なし)
- 適用除外施設の利用者
※被保険者が39歳以下または65歳以上の場合は、健康保険組合によっては保険料の徴収あり(特定被保険者制度)
専業主婦については、40〜64歳の期間に配偶者が被用者保険に加入している場合、本人の介護保険料は配偶者の医療保険料に含まれるため支払いは原則ありません。
また、国内に住民登録がない場合は介護保険制度に該当しないため、短期滞在外国人や海外居住者に保険料の支払い義務は生じません。

減免の条件
免除対象には該当しない場合でも、一時的な生活困難や経済状況の悪化などで支払いが困難なときは、申請により介護保険料の減免が認められることがあります。減免対象となるのは、主に以下のケースです。
- 大幅な収入減があった人
- 低所得者
- 災害による被害者
- 自治体独自の減免措置条件に合致した人
大幅な収入減は、失業・廃業・休業などの理由で前年比での収入が著しく減少した場合を指します。低所得者については各自治体で所得基準が異なり、生活費の確保が困難と認められるかが一般的な目安です。
また、自治体が独自に定める条件に該当する場合も、減免対象となることがあります。

介護保険料の支払いに関する注意点
介護保険料の支払いに関する注意点は、主に以下の通りです。
- 滞納するとペナルティのリスクがある
- 保険料は値上げ傾向にある
- 65歳以上は保険料負担が上がる可能性がある
滞納するとペナルティのリスクがある
支払いが厳しい状況でも介護保険料を滞納してしまうと、生活に影響を及ぼすペナルティが発生する恐れがあります。
ペナルティは滞納期間に応じて4段階に大別され、滞納期間が長くなるほど厳しくなっていく傾向です。
| 滞納期間 | 主なペナルティ内容 |
|---|---|
| 1年未満 | 督促手数料・延滞金の発生 |
| 1年〜1年6ヶ月未満 | 上記+介護サービス費を一時全額負担 |
| 1年6ヶ月〜2年未満 | 上記+介護サービス費の全額自己負担 介護保険給付の一時差し止め |
| 2年以上 | 追納不可により介護サービス利用時の自己負担割合が増加 高額介護サービスの利用不可 財産差し押さえの対象 |
滞納期間が1年未満であれば、督促手数料・延滞金の発生だけで済みますが、1年以上滞納すると介護保険サービス費の負担が増加します。
介護が始まってから資金を準備することは難しいため、支払いが困難な場合は減免や免除について早めに自治体へ相談することが大切です。
保険料は値上げ傾向にある
介護保険料は3年ごとに見直しが行われており、高齢化の進行や介護サービス利用者の増加も相まって、全国的に値上げ傾向が続いています。
65歳以上(第1号被保険者)の介護保険料の全国平均の基準額の推移は下表のとおりです。
| 時期 | 全国平均基準額(月額) |
|---|---|
| 第1期(2000〜2002年) | 2,911円 |
| 第6期(2015〜2017年) | 5,514円 |
| 第7期(2018〜2020年) | 5,869円 |
| 第8期(2021〜2023年) | 6,014円 |
| 第9期(2024〜2026年) | 6,225円 |
介護保険制度が始まった2000年時点では全国平均の月額は2,911円でしたが、2026年時点では6,225円と2倍以上に上昇しています。
つまり、現在の負担水準を基に介護保険料の総額を計算すると、老後を迎えたときに支払えなくなる可能性が出てくるでしょう。

65歳以上は保険料負担が上がる可能性がある
65歳になると、介護保険料の第2号被保険者から第1号被保険者へと移行し、介護保険料の算定方法や支払い構造が大きく変わります。
結果として、現役時代よりも保険料の負担が増える人もいるので注意が必要です。特に気をつけたいのが「会社員・公務員」と「専業主婦(夫)」の方々です。
- 会社員・公務員:勤務先と折半していた保険料が全額自己負担になる
- 専業主婦(夫):配偶者の医療保険料に含まれていた保険料が全額自己負担になる
65歳以降になると収入減少が予測されるうえ、健康リスクの増加から医療費の備えも必要になってきます。
介護保険料の負担も増えると生活苦に陥る可能性も出てくるため、現役世代のうちに65歳以降の介護保険料負担を具体的に把握し、老後資金に反映させておくことが重要です。
まとめ
本記事では、介護保険料の目安や支払い方法、免除・減免を受ける条件を中心に解説しました。
介護保険料は40歳から支払いが始まり、原則として一生涯にわたって支払いが継続する公的保険です。保険料は働き方や収入状況、地域によって異なるため、自分自身が支払う保険料の目安を確認しておくことが大切になります。
特に会社員や公務員の場合、64歳までは勤務先と保険料が折半されますが、65歳以上は職業を問わず全額自己負担となる点には注意してください。
また保険料の支払いが厳しい場合は、免除・減免の適用を受けられる可能性もあるため、滞納せずに早めに自治体に相談することを心がけましょう。