
県民共済と生命保険の違いとは?メリット・デメリットを徹底比較
死亡保障や医療保障を検討する際、県民共済と保険会社の生命保険では、どちらが良いかで悩んでいる人も多いでしょう。
どちらも万一の事態に備えるための制度ですが、仕組みや保障内容、考え方には大きな違いがあります。
それぞれに特徴があるので、単純に負担額や保障額の違いだけで選択してしまうと、適した保障を確保できない可能性もあります。
そこで本記事では、県民共済と生命保険の違いについて、両方のメリット・デメリットを交えて解説します。

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県民共済とは?
県民共済とは、都道府県単位で運営されている非営利の共済制度のことです。

保障を提供する点は保険と似ていますが、非営利団体が運営している点が一般的な保険会社とは異なります。
地域によっては以下のように名称が異なりますが、基本的な仕組みは同じです。
- 東京都:都民共済
- 京都府・大阪府:府民共済
- 北海道:道民共済
- 神奈川県:全国共済
加入できる県民共済は「居住地または勤務先のある都道府県」の共済制度に限られているのが特徴です。ただし、保障内容の大枠は全国共通のため、地域により受けられる保障の質に大きな差が生じることはありません。
また、県民共済は1つの都道府県の共済にのみ加入できます。そのため、居住地と勤務先が異なる都道府県にある場合でも、どちらか一方の県民共済にのみ加入する仕組みとなっています。
県民共済の基本的なプラン
県民共済のプランはシンプルなのが特徴で、生命共済(死亡保障や医療保障)の基本的なプランは「こども型」「総合保障型」「熟年型」の3種類です。
| こども型 | 総合保障型 | 熟年型 | |
|---|---|---|---|
| 加入年齢 | 0〜17歳 | 18〜64歳 | 65〜69歳 |
| 保障期間 | 0〜18歳 | 18〜65歳 | 65〜85歳 |
| 掛金(月額) | 1型:1,000円 2型:2,000円 | 1型:1,000円 2型:2,000円 4型:4,000円 | 2型:2,000円 4型:4,000円 |
| 特徴 | がん保障も含めた医療・死亡保障がメイン | 医療・死亡保障がメイン | 医療・死亡保障がメインだが、総合保障よりも保障は小さい |
参照:都民共済
加入年齢・保障期間により区別されており、選択できる基本プランはあらかじめ定められています。生命保険のように、多くのプランから選ぶ必要はなく、プラン選びで迷いにくい点も特徴の1つです。

県民共済と生命保険の違い
県民共済と比較対象になりやすいのが、保険会社が提供している各生命保険です。
どちらも相互扶助の仕組みで万が一のリスクに備える点は共通していますが、保障の考え方や加入条件などに大きな違いがあるため、違いをしっかり整理しておくことが大切です。
| 県民共済 | 生命保険 | |
|---|---|---|
| 運営母体 | 生活協同組合 | 保険会社 |
| 営利性 | なし | あり |
| 保障内容 | 医療保障・死亡保障が中心 | 医療・死亡・がん・介護・年金など多様 |
| 保障額 | 一定額まで対応 | 高額保障にも対応 |
| 保障期間 | 最長85歳まで | 一生涯も可能 |
| 加入対象 | 組合員とその家族 | 不特定多数 |
| セーフティネット | 原則なし | 生命保険契約者保護機構 |
営利性の違い
県民共済と生命保険で特に異なる点が、営利性の有無です。
対して、生命保険は保険会社が営利目的で提供している商品であり、保険料には運営コストに加えて、将来の支払いや会社の利益を見込んだ費用が含まれています。

保障内容・保障期間の違い
県民共済と生命保険は、保障内容にも大きな違いが見られます。
一方、生命保険では医療保険や死亡保険に加え、がん保険、介護保険、就業不能保険、個人年金保険など幅広い商品が用意されています。特約の組み合わせも柔軟に設定でき、カスタマイズすることで契約者ごとのニーズに沿うことが可能です。

セーフティネットの違い
運営母体にもしものことがあったとき、契約者を守る仕組みの有無でも違いがあります。
国内の生命保険会社が提供する生命保険には「保険契約者保護機構制度」が導入されています。
県民共済には、生命保険契約者保護機構のようなセーフティネットはありません。大規模な破綻事例こそ確認されていないものの、制度上は運営主体の財務状況に依存する仕組みである点は理解しておくことが重要です。
県民共済・生命保険のメリット・デメリット
県民共済のメリット
県民共済のメリットは、主に以下の通りです。
- 掛金が安い傾向
- 掛金が一律のことがある
- 割戻金を受け取れることがある
- 保障がシンプルでわかりやすい
県民共済の大きなメリットは、掛金が安い傾向にあることです。非営利での運営のため、事業利益を確保する必要がなく、運営コストも抑えられています。
また、毎年の決算で剰余金が出た場合は割戻金として加入者に還元されるため、実質的な負担額が想定よりも軽くなる点も見逃せません。都民共済の2024年度では、下表のような割戻金の実績があり、負担軽減を実感しやすいでしょう。
| タイプ | 割戻率 | 割戻金目安 |
|---|---|---|
| こども型 | 18.27% | 4,384円※1 |
| 総合保障型・入院保障型 | 38.57% | 18,513円※2 |
| 熟年型・熟年入院型 | 25.54% | 12,259円※3 |
※1:こども2型 年間24,000円(月掛金2,000円)の場合
※2:総合保障2型+入院保障2型 年間48,000円(月掛金4,000円)の場合
※3:熟年2型+熟年入院2型 年間48,000円(月掛金4,000円)の場合
参照:都民共済「割戻金について」

県民共済のデメリット
県民共済のデメリットは、主に以下の通りです。
- 保障額が少なめ
- 商品のラインナップが少なめ
- 高齢になると保障が下がる・なくなることがある
県民共済のデメリットとしては、保障額の少なさが挙げられます。掛金の安さはメリットではあるものの、有事の際には保障額が不足する可能性も否めません。
子育て世帯の方々からすると、800万円は決して十分な保障額とはいえないでしょう。
もちろん、特約を付加することで保障を強化することはできるものの、生命保険のように多様なラインナップがあるわけでもないため、カバーできる範囲は生命保険よりも狭いです。

生命保険のメリット
生命保険のメリットは、主に以下の通りです。
- 終身保障される商品がある
- 高額保障にも対応できる
- 商品の柔軟性が高い
- 資産形成としても活用できる
県民共済にはない生命保険のメリットは、一生涯保障が続く終身タイプの保険があることです。高齢になるほど病気のリスクは増していくのが一般的なので、最長85歳で保障が終わる県民共済よりも、終身タイプの生命保険の方が安心感は強いでしょう。
商品が多数あり、自由に組み合わせられる点も生命保険のメリットです。結婚や出産、住宅購入などライフステージの変化に応じて見直しやすく、必要な保障を適切に確保できるでしょう。

生命保険のデメリット
生命保険のデメリットは、主に以下の通りです。
- 保険料が割高傾向
- 年齢・性別による保険料の差が大きめ
- 選択肢が膨大で複雑
生命保険は、県民共済と比較すると保険料水準が高い傾向にある点がデメリットです。保険会社が営利目的で行うため、同等の保障内容では県民共済より自己負担が重くなる可能性があります。
保険に詳しくない人からすると、保険選びが複雑で難しく感じやすい点もデメリットとして挙げられます。適切な保険商品を選ぶには情報収集と知識が求められるため、選択を誤ってしまうと、ニーズに合わない保障に保険料を支払い続けるリスクもあります。
県民共済と生命保険はどっちがおすすめ?
県民共済が向いている人
県民共済が向いている人は、主に以下のような人です。
- 低コストで一定の保障を確保したい人
- 職業・持病などの理由で生命保険に入りにくい人※
- シンプルに選びたい人
県民共済は、できるだけ保険料を抑えながら医療保障や死亡保障といった基本的なリスクに備えたい人に向いています。
また、職業や持病などの理由で生命保険に加入しにくい人にとっても、県民共済は現実的な選択肢となります。告知項目が生命保険ほど細かくない商品が多いため、生命保険の契約を断られた場合でも、県民共済であれば契約できる可能性があります。

※健康状態による審査はあるため、必ずしも持病がある人が加入しやすいとは限りません。
生命保険が向いている人
生命保険が向いている人は、主に以下のような人です。
- 一生涯の保障が欲しい人
- 手厚い保障で備えたい人
- 保障内容を柔軟に選択したい人
生命保険は、一生涯にわたって保障を確保したい人や、家族の生活費も考慮して手厚い保障を備えたい人に適しています。
例えば、終身タイプの医療保険なら、老後の医療費負担に関する心配を軽減することが可能です。また、家族の生活を長期的に守りたい人にとっては、高額な死亡保障をかけられる生命保険の必要性は大きいでしょう。

両方を組み合わせることも検討する
県民共済と生命保険は、どちらか一方だけを選ぶのではなく、目的に応じて併用することも有効です。
例えば、すでに生命保険に加入している人が医療保障の不足を感じた場合、県民共済を追加することにより比較的低いコストで保障を手厚くできます。
また、県民共済だけでは死亡保障が十分でない場合には、生命保険で高額保障をカバーすることも可能です。

まとめ
本記事では、県民共済の仕組みや生命保険との違い、それぞれが向いている人の特徴について解説しました。
県民共済と生命保険は、どちらも万が一に対する保障として備える点は共通しています。ただし、営利性の有無や保障内容などで大きく異なるため、それぞれのメリット・デメリットを把握して選択することが大切です。
県民共済は、比較的安い掛金でシンプルな保障内容という点が特徴です。対して、生命保険は商品が多く、ニーズに合わせて柔軟に保障内容を設定できます。
どちらか一方だけを選択する必要はないので、状況によっては両方を組み合わせて適切な保障を確保しましょう。