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肝硬変による腹水とは?症状や原因、治療方法などについて解説

肝硬変が進行すると、腹水が起こり、お腹が張ってくることがあります。今回は、肝硬変腹水とはどんな症状なのか、腹水が起こる理由、治療法などについて解説します。

肝硬変腹水とは?どんな症状?

肝硬変は、肝臓の炎症を修復するためにできる線維組織が増え、肝臓が硬くなる病気です。

慢性肝疾患が進行すると、壊死した肝細胞を補うように線維質が蓄積され、肝臓内部に壁が作られます。その結果、肝臓が硬く変化してしまうのです。

肝硬変により起こる腹水は腹部に体液が溜まることでみられるもので、合併症のひとつです。少量の腹水であれば気付かないことが多いものの、溜まる体液の量が増加するとお腹が張ってきます。

症状が進行すれば食事を摂るのが難しいほど胃が圧迫されたり、吐き気を催したりすることもあります。また、お腹が張るだけでなく足がむくむといった症状が見られることもあります。

肝硬変腹水はなぜ起こるのか

肝硬変によって腹水が起こる原因は、大きく分けてふたつあります。ひとつは「門脈圧亢進(もんみゃくあつこうしん)による血液漏出(ろうしゅつ)」、もうひとつは「アルブミンの低下による血液からの水分の漏出」です。

それぞれの原因について簡単に説明します。

門脈圧亢進による血液漏出

通常、消化器官を通った血液は門脈から肝臓へと流れます。しかし、肝硬変になると、門脈圧が亢進して血液が肝臓に流入しにくい状態になります。その結果、血液の成分が門脈の外に染み出して腹水が起こります。

アルブミンの低下による血液からの水分漏出

肝臓では血液中のアルブミンというタンパク質が生成されていますが、肝硬変になると肝機能の低下し生成されるアルブミンの量が減少します。それにともない、血液を構成する成分の割合に変化が生じるため、血管内に水分がとどまりにくくなります。

その結果、血管から水分が漏れ出して腹水が起こりやすくなるのです。

肝硬変腹水の検査や治療

肝硬変腹水の検査や治療方法にはどんなものがあるのでしょうか。

検査方法

まずは腹部を診察したり、超音波検査を使ったりして腹水の存在の有無をチェックします。腹水が確認されたら、血液や腹水を採取して検査を行い、原因を調べます。

腹水はがんや腹膜炎など肝硬変以外の病気でも溜まることがあるため、CTやMRIなどを使った検査が必要となることもあります。

治療方法

腹水が起きている場合、溜まった水分を体外に排出するために利尿剤を投与します。利尿剤はまずは少量から始め、効果が不十分であれば量を調整したり、薬の種類を変えたりして様子をみるのが一般的です。

一定期間利尿剤を使用したものの腹水が減らず、アルブミンが低値の場合は、アルブミン製剤を点滴して補充します。

薬物による治療で腹水をコントロールできないようであれば、腹水穿刺(せんし)吸引を行うことになります。腹水穿刺吸引とは、細い針を下腹部に刺して腹水を体外に排出する処置のことです。

ただし、腹水穿刺吸引によって腹水を抜くと、腹水に含まれる栄養分も一緒に排出することになり、腎機能の低下や脱水などを引き起こすことがあります。

そうした事態を防ぐために行われるのが腹水濾過濃縮再静注法(CART)といった治療です。これは腹部から吸引した腹水をフィルターに通し、細菌などの有害物質を除去したあとに濃縮して血管に戻す治療で、腹水穿刺吸引と一緒に行われることが多くあります。

肝硬変腹水の予防法・ケア方法

腹水が溜まりやすい場合は、自宅で安静にするとともに、食事の塩分制限を行いましょう。塩分控えめの調味料を使用したり、ラーメンやうどんなどのスープは残したりすると、塩分の摂取量を減らすことができます。

また、余分の水分を尿として排水させるために利尿剤を使用するのも、肝硬変腹水の予防につながるでしょう。

まとめ

肝硬変になると、血液が肝臓に流入しにくくなる、肝臓でのアルブミンの生成量が低下するといった理由から、体液が腹部に溜まって腹水が起こることがあります。

初期の腹水では自覚症状がないものの、進行するとお腹が膨れ上がることもあり、病院での治療が必要です。腹水が溜まりやすい人は、できるだけ塩分を控えた生活を意識するようおすすめします。

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