50代での保険見直しの必要性|見直すべき保険の種類や注意点も

50代での保険見直しの必要性|見直すべき保険の種類や注意点も

現在50代の人やこれから50代を迎える方々の中には、、「今加入している生命保険は、このまま続けて本当に大丈夫だろうか」「保障内容が今の自分に合っているのか分からない」と不安に感じている人もいるでしょう。

50代は子どもの独立や定年退職の準備など、ライフステージが変化しやすい年代です。

家庭環境や収入状況が変化することで、40代までに必要だった保障と、これから先に必要となる保障は大きく異なってくる可能性があります。

このような背景から、50代は生命保険を見直す絶好のタイミングだといえます。しかし、「何から見直せばいいのか分からない」「見直すことで逆に損をしないか心配」と感じ、なかなか行動に移せない方も少なくありません。

そこで本記事では、50代で保険の見直しを検討する理由や見直すべき保険の種類について解説します。

見直すうえでの注意点についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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監修者の紹介
経歴・プロフィール
東京理科大学理学部卒業。2003年、30歳で半導体製造装置大手企業を早期退職し、株式専業トレーダーに転身。これまでに年間最高売買代金350億円超、月間最高利益2414万円を達成。水野総合FP事務所代表。独立系ファイナンシャルプランナーとして個別相談、執筆・監修、講師、取材協力などマルチに活動。ライフプラン、資産運用、相続・資産承継といった幅広い相談内容に対応し、全国1000名を超える方から日本FP協会に寄せられる「くらしとお金」の電話相談を1年間担当。
水野崇

50代で保険の見直しをおすすめする理由

50代で保険の見直しをおすすめする理由には、以下のようなものがあります。

50代で保険の見直しをおすすめする理由
  • ライフステージが変化しやすい年代
  • 病気リスク増加に対する備え
  • 老後資金に対する備え

ライフステージが変化しやすい年代

50代は、人生の中でも生活環境が大きく変化しやすい時期であり、子どもの独立や住宅ローンの完済などを経て、家計構造が大きく変わる家庭も珍しくありません。

ポイント
定年退職が近くなることもあり、老後に向けた準備を本格的に考え始める必要性が高まります。

こうしたライフステージの変化に伴い、確保しておくべき保障も変わるのが一般的です。40代以前は家庭を守るための死亡保障が中心だった場合でも、50代以降は医療や介護への備えなどを重視する人が増えていくでしょう。

まだ現役世代である50代のうちに、今後の生活を具体的に想定したうえで保障内容を見直すことが、将来の安心につながります。

病気リスク増加に対する備え

50代は、加齢に伴う身体機能の変化が表れやすく、健康面での不安を感じ始める人も少なくありません。

注意点
高齢になるほど病気のリスクが増加するのが一般的であり、50代は若年層に比べて様々な病気の可能性を現実的なものとして捉え、あらかじめ備えておくことが重要になります。

保険の契約は、病気になった後では契約を制限されやすいという性質があり、大病を患う前に保険を整えておくことが望ましいです。健康なうちに保障内容を検討しておくことで、将来の医療費に対する不安を軽減しやすくなります。

老後資金に対する備え

50代は老後に向けた準備期間でもあるので、老後資金についても具体的に考え始める人が増えてきます。

ポイント
退職後は収入が年金中心となり、現役時代よりも収入が減少するのが一般的である一方で、老後は医療・介護などにかかる支出が増加傾向にあります。

医療・介護をはじめ必要な保障を見直すことで、老後資金が枯渇して生活が立ち行かなくなる心配を軽減できるでしょう。

老後からの見直しでは契約条件が厳しくなり、人によっては契約できない可能性もあるので、50代のうちに保障内容を整理することがポイントです。

50代に保険が必要とされる背景

そもそも、50代に保険は必要なのかと疑問を持っている人もいるでしょう。ここからは、50代が保険に加入する必要性を、加入率や死因統計から確認していきます。

50代の生命保険加入率

50代における生命保険の加入率は、2000年代以降では男女とも8割以上を推移しており、2022年時点においては男性86.9%、女性87.8%と他の年代と比較しても高水準です。

年代男性加入率女性加入率
20代46.4%57.1%
30代81.5%82.8%
40代86.1%86.3%
50代86.9%87.8%
60代85.8%86.5%
70代72.5%78.8%

※全生保が対象。生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」参照

加入率の高さからも、50代の多くが生命保険の必要性を感じていることが読み取れます。その背景には、年齢に比例して増加傾向にある病気のリスクへの備えが挙げられます。

なお、2025年度の速報ではまだ年代別の加入率は公表されていないものの、全体の加入率から推測すると大きな変化は見られないと考えられます。

50代の主な死因

厚生労働省「人口動態統計(確定数)」によると、2024年時点における50代の主な死因は下表のとおりです。

死因割合
悪性新生物(がん)36.5%
心疾患(高血圧性を除く)13.1%
脳血管疾患7.8%
不慮の事故3.7%
肺炎1.5%
その他37.4%

出典:生命保険文化センター「何が原因で亡くなる人が多いの?

がん・心疾患・脳血管疾患で60%弱を占めています。これらは罹患すると治療期間中に休業を余儀なくされるケースが多いため、病気のリスクに対してしっかりと準備していくことが求められます。

50代の保険の見直しポイント

50代の保険の見直しポイントを、保険の種類別に見ていきましょう。

主な保険の種類
  • 死亡保険(定期保険・終身保険)
  • 医療保険
  • がん保険
  • 介護保険

死亡保険(定期保険・終身保険)

死亡保険は、契約者が死亡・所定の高度障害状態のような万が一の事態に陥った際に、保険金が支払われます。

保険期間により「定期保険」「終身保険」の2種類に大別され、下表のような違いがあります。

定期保険終身保険
保険期間一定期間一生涯
保険料低めの傾向高めの傾向
解約返戻金(貯蓄性)原則なしあることが多数

定期保険は一定期間の死亡保障を確保できる保険で、比較的保険料を抑えやすいのが特徴です。

対して、終身保険は一生涯保障が続く保険で、解約返戻金を老後資金の一部として活用できる貯蓄性もあります。

50代になると子どもが独立し、教育費や生活費の負担が軽くなる家庭も増加します。子育て中は重視していた死亡保障も、必要性が薄まるケースも少なくありません。

老後のプランや貯蓄状況も加味したうえで必要保障額を算出し、定期保険の減額や終身保険への切り替えを検討するなど、現在の家計に合った形に見直すことが大切です。

ただし、死亡保障を削りすぎると、葬儀費用やお墓代など死後の費用を遺族が負担することになりかねません。家族に経済的負担をかけない程度の保障をかけておくと便利でしょう。

医療保険

医療保険は、病気やケガにより入院・手術などが生じた際に、保険金を受け取ることができます。

50代以降は生活習慣病をはじめ病気のリスクが高まり、高額な医療費がかかる可能性も現実的な問題になりえます。

ポイント
入院時の差額ベッド代や先進医療費をはじめ、公的医療保険の対象外となる費用もあるため、民間の医療保険を契約しておく重要性は増すでしょう。

特に、退職後は収入が年金中心となるため、経済面を考慮しても50代のうちから準備しておくことが大切です。

すでに医療保険に加入している人も、老後を見据えて入院給付金日額や保障期間など保険の中身が適切かを確認しましょう。そのうえで、想定される疾病のリスクに合わせた保障内容への見直しを検討してください。

がん保険

がん保険は、がんに対する保障に特化した保険のことです。

がん罹患率は50代以降に上昇するため、40代以前よりもがんへの備えを手厚くしておく必要性は高いといえます。

医療保険でもがん治療における保障はありますが、下表のような違いがあります。

がん保険医療保険
保障対象がん(悪性新生物)病気・ケガ
主な保障内容診断給付金

入院給付金

手術給付金

通院給付金

先進医療給付金

抗がん剤治療給付金

入院給付金

手術給付金

入院時の支払限度日数無制限の商品が多数1入院あたり60日・120日などが一般的
免責期間一般的に契約から90日間原則なし

※上皮内新生物は対象外になるケースあり

がんに対する備えは、がん保険の方が柔軟性に優れている商品が多い傾向で、ニーズに応じて保障を確保しやすいです。特に、がん診断給付金は治療開始時の資金として柔軟に活用できます。

ポイント
入院給付金の支払い限度日数も無制限の商品が多いので、長期化しやすいがん治療においてがん保険を契約していると安心感は高まるでしょう。

なお、がん保険はがん以外の病気・ケガへの保障はないため、医療保険と併せて契約することで、がん以外の病気も含めた幅広いリスクに備えやすくなります。

介護保険

介護保険は、介護にかかる費用に備える保険のことで、保険会社が定める所定の介護状態と認定されると、保険金を受け取ることができます。

注意点
介護に関する保障としては公的介護保険がありますが、それだけでは介護への備えが不十分になることも考えられます。

特に、公的介護保険は介護サービスなどの現物支給に対し、民間の介護保険は現金給付です。給付金の用途も自由なため、介護費用だけでなく生活費の一部として充てられる点は大きな特徴といえます。

50代の段階で、将来の介護費用を預貯金や公的保障だけでカバーできるか不安な人は、民間の介護保険への加入を検討すると良いでしょう。

50代が保険を見直す際の注意点

50代が保険を見直す際の注意点は、主に以下の通りです。

50代が保険を見直す際の注意点
  • 公的保障とのバランスを意識する
  • 保険料が高くなることがある
  • 保険料の払込期間を考慮する
  • 健康状態によっては保険に加入できないケースもある

公的保障とのバランスを意識する

50代で保険を見直す際は、先に公的保障でカバーされる範囲を正しく把握することを意識しましょう。

注意点
公的制度だけでも多くの保障があるため、公的制度を理解しないまま保険を検討すると、保障を過剰に確保することにもつながります。

保障が手厚すぎること自体は悪いことではありませんが、保険料の負担が重くなりがちになることには注意が必要です。

老後に活用できる主な公的保障としては、以下が挙げられます。

主な公的保障
  • 公的医療保険(高額療養費制度)
  • 公的介護保険
  • 公的年金(老齢年金・遺族年金・障害年金)

例えば医療費については、高額療養費制度により月々の自己負担額には上限が設けられています。また、万が一のときには遺族年金が支給されるため、死亡保険の必要保障額も公的給付分を差し引いて考えるのが現実的です。

このような公的保障の内容を踏まえたうえで、不足部分を民間保険でカバーすることにより、バランスの取れた保険契約が可能になるでしょう。

保険料が高くなることがある

保険の見直しは保険料の低下を連想する人もいるでしょうが、必ずしも下がるわけではありません。

注意点
実際には、年齢の上昇とともに健康リスクが高まるため、同じ保障内容であれば高年齢ほど保険料は高くなる傾向です。

また、保障内容を現状に合わせて整理して、必要な保障をきちんと確保した結果、かえって保険料が上がるケースも珍しくありません。

しかし、見直しで重視すべきことは保険料を下げることではなく、無理のない保険料で必要な保障を確保できているかどうかです。

保険料が上がるからという理由で見直しを先送りにすると、ニーズに合わない保障内容のままで保険を継続し、万が一のときに保障が不足するリスクもあります。

50代の保険見直しでは保険料を下げることに注力せず、老後に安心できる保障内容になっているかが大きな判断材料になります。

保険料の払込期間を考慮する

50代で保険を見直す際は、保障内容だけでなく保険料の払込期間も考慮しましょう。

特に注意したいのが、保険料の支払いが定年後まで続く契約です。定年後は収入が年金中心となるため、現役時代と同じように保険料を支払い続けることが難しくなります。

保険料の払込方法には一般的に「終身払い」と「短期払い」があります。

終身払いと短期払いの違い
  • 終身払い:終身にわたって保険料の支払いが継続
  • 短期払い:一括払いまたは一定年数・特定年齢までに支払いを終了

短期払いを選択して現役時代のうちに払込を終える設計にすることで、老後の支出を減少させて、保障だけを確保することが可能です。

健康状態によっては保険に加入できないケースもある

50代で持病や既往症がある人は、健康状態を懸念されて保険契約を断られる可能性があります。契約できた場合でも、部位不担保のような保障内容の制限を受けるケースも少なくありません。

注意点
がん治療の経験がある人は新たな生命保険の契約で影響を受けやすく、健康状態が良好な人と比べると保険には加入しにくいことがあります。

また、「引受基準緩和型」や「無選択型」のように、契約条件が緩和された保険もありますが、保険料は通常の保険より割高傾向にあり、保険商品の選択肢も少なめです。

健康状態に大きな問題がないうちに保険を見直しておくことで、保険の選択肢を広く確保でき、保険料を抑えた契約にもつなげやすくなります。

まとめ

本記事では、50代で保険を見直す必要性や見直しておくべき保険の種類、注意点について解説しました。

50代は子どもが独立する家庭も増え、ライフステージが大きく変化しやすい年代です。同時に、40代以前と比べて病気のリスクも高まり、将来への備えをより具体的に考える必要が出てきます。

こうした変化に伴い、50代で求められる保障の内容も見直しの検討対象となります。これまで重視してきた死亡保障の必要性を再確認しつつ、将来的に負担が増えやすい医療・介護費用を見据えて、保障のバランスを整理していくことが重要です。

すでに保険に加入している50代は、現在の保障内容が今後の生活に合っているかを確認し、必要に応じて見直しを行いましょう。

また、保険未加入の50代も、将来想定されるリスクや老後の経済状況を踏まえたうえで、保険加入の必要性を検討することが大切です。

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